トルコツアーを探していると、イスタンブール、カッパドキア、パムッカレ、エフェソス。
だいたい同じ有名な観光地の名前が並びます。
もちろん、初めてのトルコならどこも見ておきたい場所です。
でも、世界史が好きな人なら、もう少し先まで見たくなりませんか。
メソポタミア、ヒッタイト、アッシリア、ペルシア。
学生時代、世界史の教科書で覚えた古代オリエントの国々です。
その中でも、現在のトルコ・アナトリアで大帝国を築いたのがヒッタイト。
クラブツーリズムの「イスタンブールたっぷり満喫トルコ大周遊11日間」は、トロイ、エフェソス、パムッカレ、カッパドキアといった王道のトルコ観光に加えて、ヒッタイト帝国の都ハットゥシャシュと、岩の聖域ヤズルカヤまで巡ります。
公式でも、11日間でトロイ、エフェソス、パムッカレ、カッパドキア、ハットゥシャシュ、イスタンブールなどを巡る大周遊として販売されています。ANAの羽田~イスタンブール直行便を利用し、Y2667はビジネスクラス利用のコースです。
最初はわたしも、
「11日間だから、8日間より観光地が多いのね」
くらいに思っていました。
でも、旅程をひとつずつ見ていくと、ちょっと違います。
このツアー、クラブツーリズムのトルコ担当おすすめツアーである8日間の観光名所の数を増やしただけではないんです。
トロイからヒッタイトへ。
ギリシャ・ローマ世界から、初期キリスト教、セルジューク朝、ビザンツ帝国、オスマン帝国へ。
トルコというひとつの国を旅しながら、何千年もの歴史を行ったり来たりします。
王道のトルコは見たい。
でも、せっかくなら世界史の教科書のもう一ページ先まで行ってみたい。
そんな人に、かなり面白い11日間だと思います。
クラブツーリズムのトルコ11日間はどんなツアー?

このツアーでは、トルコ西部から中央アナトリアを通り、最後にイスタンブールへ向かいます。
主な訪問地をざっくり並べると、こんな感じです。
| 主な観光地 | 歴史・見どころ |
|---|---|
| トロイ | 青銅器時代・トロイ戦争伝承 |
| エフェソス | ギリシャ・ローマ世界 |
| パムッカレ/ヒエラポリス | 古代の温泉都市 |
| コンヤ | セルジューク朝・メヴラーナ |
| カッパドキア | 岩窟文化・初期キリスト教 |
| ハットゥシャシュ | ヒッタイト帝国の都 |
| ヤズルカヤ | ヒッタイトの岩の聖域 |
| アンカラ | トルコ共和国の首都 |
| イスタンブール | ビザンツ帝国・オスマン帝国 |
ホテルは全都市デラックスクラス、カッパドキアでは洞窟ホテルに2連泊、イスタンブールにも3連泊します。
公式ページでは「歴史」「世界遺産」「自然探訪」などが関連テーマとして挙げられています。
11日間と聞くと、ゆったりした旅を想像するかもしれません。
ただ、このコースは長いからのんびりする旅というより、長いからこそ一段深いところまで行く旅です。
このツアーの面白さは、観光地ではなく「時代」を旅できること

トルコの面白いところは、ひとつの国の中に、とんでもなく長い歴史が積み重なっていることです。
現在のトルコ共和国ができたのは20世紀。
でもアナトリアには、それよりはるか前からさまざまな人々と文明が行き交ってきました。
トロイとヒッタイト。
古代ギリシャ・ヘレニズム世界。
ローマ帝国。
ビザンツ帝国。
セルジューク朝。
オスマン帝国。
同じアナトリアの大地でも、地域や時代によって、歴史の主役となる都市や民族、帝国が次々と入れ替わっていきます。
この11日間の旅程を歴史の目で見ると、名所を点々と見る旅ではなく、その重なった時間を少しずつ剥がしていく旅に見えてきます。
トロイ|木馬だけではない、青銅器時代のアナトリアへ

最初の歴史の入口がトロイです。
トロイと聞けば、まず思い浮かぶのは「トロイの木馬」。
ホメロスの叙事詩『イリアス』に描かれたトロイ戦争や、遺跡を発掘したシュリーマンの名前を覚えている人もいると思います。
ただ、実際のトロイ遺跡へ行くと、立派な建物がどーんと残っているわけではありません。
何度も都市が築かれ、壊され、またその上に都市が造られたため、複数の時代の遺構が重なっています。
歴史背景を知らずに見ると、
「……跡しかない」
で終わる可能性もあります。
でも、この11日間では、そのあとにハットゥシャシュへ行きます。
ここが面白い。
トロイが栄えた青銅器時代のアナトリアでは、内陸部でヒッタイト帝国が大きな勢力を持っていました。
トロイと、ヒッタイト文書に登場する「ウィルサ」が同じ場所だったのではないかという説も有力です。
つまり、世界史で別々のページに出てきたトロイとヒッタイトが、実は同じ時代の同じアナトリア世界に存在していた。
しかもこのツアーでは、遺跡を見るだけではなく、通常のトルコ周遊ツアーではなかなか訪れないトロイ博物館にも入場します。
遺跡だけでは少しイメージしにくいトロイも、発掘された遺物や展示を合わせて見ることで、「ここにどんな人たちが暮らしていたのか」「どんな時代の都市だったのか」がぐっと見えやすくなります。
トロイ遺跡+トロイ博物館までセットにしているあたり、この11日間が単なる有名観光地の寄せ集めではないことが少し見えてきます。
さるぱんちゃん遺跡だけだと「跡じゃな」で終わりそうな人ほど、博物館があると助かります。
発掘品を見てからだと、さっき歩いた遺跡が急に立体的に見えてきます。
エフェソス|今度はギリシャ・ローマ世界を歩く
トロイから時代が進むと、エフェソスへ。
エフェソスは、遺跡にあまり詳しくなくても楽しみやすい場所だと思います。
石畳の道。
巨大な劇場。
列柱。
そして有名なケルスス図書館。
「ここに街があった」と想像しやすいんです。
トロイが、地中に積み重なった都市の歴史を読み解く遺跡なら、エフェソスは古代都市の中を実際に歩いている感覚を持ちやすい遺跡。
特にローマ時代には、小アジアを代表する大都市として栄えました。
旅行中に歴史を全部覚える必要はありません。
でも、
「さっきまで青銅器時代だったのに、今度はローマ帝国の街を歩いている」
とわかるだけでも、旅の見え方が変わります。


日本語では「ケルスス図書館」のほか、「セルシウス図書館」と表記されることもあります。
名称は、ローマ帝国の元老院議員 Tiberius Julius Celsus Polemaeanus に由来し、トルコ語では Celsus Kütüphanesi。
「ケルスス」「セルシウス」といった違いは、日本語へ移す際の読み方・表記の違いによるものです。なお、温度の単位で知られるセルシウス(Celsius)とは綴りも人物も別です。
このサイトでは「ケルスス図書館」で統一しています。



トルコの機内や街でよく見かけるビール「Efes(エフェス)」、実はこのエフェソスから来ています。
トルコ語でエフェソスは Efes。
遺跡を見たあとだと、ビールの名前まで急に意味を持って見えてきます。
パムッカレ|白い絶景の向こうに古代の温泉都市がある


パムッカレといえば、真っ白な石灰棚。
SNSでもガイドブックでも、まず出てくるのはあの景色です。
パムッカレは、トルコ語で「綿の城」。
平野の中に突然、真っ白な石灰棚がどーんと現れます。遠くから見ると、一瞬「ここだけ雪?」と思うほど。近づくにつれて、あれが全部石灰だとわかってきます。


でも、世界史好きなら、その上に広がるヒエラポリスも忘れたくありません。
ヒエラポリスは古代の温泉都市。
劇場やネクロポリスなどが残り、ローマ時代には温泉地として栄えました。
つまり、今わたしたちが、
「温泉に行ってゆっくりしたい」
と思うように、古代の人たちもここへやって来ていたわけです。
そう考えると、急に距離が近くなりませんか。
白い石灰棚だけを見れば自然の絶景。
ヒエラポリスまで見ると、自然の恵みを人間がどう利用してきたかという歴史まで見えてきます。
コンヤ|古代世界からイスラムのアナトリアへ


ここで旅の時代がぐっと進みます。
コンヤは、セルジューク朝時代に重要な都市として栄えた場所。
そして、イスラム神秘主義の思想家として知られるメヴラーナ、つまりルーミーゆかりの街です。
メヴラーナは、13世紀にコンヤで活動したイスラム神秘主義(スーフィズム)の思想家・詩人。西洋では ルーミー(Rumi) の名で広く知られています。
「メヴラーナ」は名前そのものというより、敬意を込めた呼び名で、「私たちの師」といった意味。トルコでは Mevlânâ と呼ばれることが多いため、現地の案内板や観光案内でもこの表記をよく目にします。



ちなみに、メヴラーナを描いたトルコ・イラン合作映画『Mevlana: Mest-i Aşk』もあります。この記事を書いている前日に、偶然テレビで見ました。まさか翌日コンヤのメヴラーナを書くことになるとは。
古代ギリシャ・ローマの遺跡を見てきたあとに、イスラム世界へ。
この切り替わりも、トルコ周遊の面白さです。
トルコの歴史というと、どうしてもオスマン帝国だけを思い浮かべがちですが、その前にはセルジューク朝の時代があります。
コンヤに立ち寄ることで、
「アナトリアがどうやって現在のトルコにつながっていくのか」
その途中の一ページを見ることができます。
カッパドキア|奇岩を見るだけではもったいない


そしてカッパドキア。
ここは気球と奇岩のイメージがあまりにも強いですよね。
もちろん、あの景色を見るだけでも十分すごい。
でも今回の記事では、もう一歩だけ掘ってみます。


カッパドキアが面白いのは、自然が作った岩を、人間が何百年、何千年にもわたって使い続けてきたことです。
火山活動で積もった凝灰岩が長い年月をかけて侵食され、独特の奇岩地形が生まれました。
その岩は比較的加工しやすかったため、人々は内部を掘り、住居、貯蔵庫、教会などとして利用していきます。
特にビザンツ時代には、岩をくり抜いた教会や修道施設が数多く造られました。
現在のギョレメ野外博物館には、鮮やかなフレスコ画で知られる「暗闇の教会(Karanlık Kilise)」をはじめ、「トカル教会(Tokalı Kilise)」「エルマル教会(Elmalı Kilise)」など、いくつもの岩窟教会が残っています。
ユネスコも、こうしたカッパドキアの岩窟聖堂群を、ビザンツ美術を伝える重要な遺産として評価しています。
つまりカッパドキアは、
「自然が作った奇岩を見る場所」
だけではありません。
自然の地形と、人間の暮らしや信仰が重なった場所です。
地下都市チャルダック|岩の下には生活空間が広がる
このツアーでは、ネヴシェヒール近郊のチャルダック地下都市(Çardak Yeraltı Şehri)にも入ります。
カッパドキアの地下都市というとカイマクルやデリンクユと複数点在しており、チャルダックにも、狭い通路、食料の貯蔵スペース、家畜を置く場所、ワイン造りに使われた設備、換気のための縦穴など、人が長く地下で過ごすことを想定した空間が残っています。
通路には、外から敵が入ってきたときに内側から塞ぐための巨大な円盤状の石扉もあります。
地下都市がいつ、誰によって最初に造られたのかは単純ではありませんが、長い歴史の中で拡張され、キリスト教徒たちが侵入や争いから身を守る避難場所として利用した時代もありました。
地上では、空へ向かって伸びる奇岩を見る。
その下では、人が岩を掘り、食料を蓄え、空気を取り入れ、必要なら入口を石で塞いで暮らしていた。
カッパドキアは「不思議な岩がある場所」ではなく、人がその地形を徹底的に利用して生きてきた場所だったことが見えてきます。
ハットゥシャシュ|世界史の教科書に出てきたヒッタイト帝国


ここから、この11日間の旅程が一気に面白くなります。
ハットゥシャシュ。
名前だけ聞くと、
「どこ?」
となる人もいると思います。
わたしも最初はそうでした。
でも、
「ヒッタイト帝国の首都」
と言われると、世界史を勉強した人なら少し記憶が戻ってきませんか?
ヒッタイト。
古代オリエント。
鉄器。
エジプト。
ラムセス2世。
カデシュの戦い。
そう、あのヒッタイトです。
ハットゥシャシュは現在の中央アナトリア、チョルム県ボアズカレ付近に残る遺跡で、紀元前2千年紀にヒッタイト帝国の首都として栄えました。
ユネスコ世界遺産にも登録され、城壁、神殿、王宮跡、獅子門、王の門などが残ります。ユネスコは、ハットゥシャシュをヒッタイト帝国の政治・宗教都市の姿を伝える重要な遺跡と位置づけています。
ヤズルカヤ|ヒッタイトの神々を見る
ハットゥシャシュの近くにあるのが、岩の聖域ヤズルカヤ。
岩壁には神々や女神たちのレリーフが刻まれています。
都市遺跡のハットゥシャシュを見るだけでもヒッタイトの規模はわかります。
でもヤズルカヤまで行くと、
「この人たちは何を信じていたのか」
まで少し見えてくる。
ユネスコも、ヤズルカヤの岩壁に刻まれた神々の浮彫を、ヒッタイト美術を代表する重要な遺構として紹介しています。


ここまで来ると、最初に訪れたトロイがもう一度効いてきます。
トロイとヒッタイト。世界史の教科書では別々に覚えた名前ですが、実はどちらも青銅器時代のアナトリアに存在していました。
特にトロイVI〜VIIa期(エーゲ文明(ミケーネ文明)の時代)は、ヒッタイト帝国が大きな勢力を持っていた時代と重なります。
さらに興味深いのが、ヒッタイト文書に登場する「ウィルサ(Wilusa)」。
現在では、これがトロイだった可能性が高いと考えられています。
ヒッタイト王ムワタリ2世とウィルサ王アラクサンドゥとの間には条約も結ばれており、単に「同じ時代に存在していた」だけではなく、政治・外交の世界でもつながっていました。
一方、西のエーゲ海側には、ヒッタイト文書で「アヒヤワ」と呼ばれる勢力が登場します。
これをミケーネ系ギリシャ勢力とみる説も有力で、ウィルサ周辺は、アナトリア内陸のヒッタイトとエーゲ海世界が接する場所でもありました。
そう考えると、トロイ戦争の物語も、ただの神話としてではなく、青銅器時代末期のアナトリアとエーゲ海をめぐる大きな勢力関係の中で見えてきます。
そしてこのツアーでは、実際にトロイを歩いたあと、その時代の大国ヒッタイトの首都ハットゥシャシュへ向かいます。
世界史で別々のページに載っていたトロイとヒッタイトを、同じ旅の中で地理と時代の両方からつなげて見られる。
ここが、この11日間のかなり面白いところです。
紀元前1200年前後、東地中海世界では各地の都市や王国が相次いで大きな変化を迎え、ヒッタイト帝国も崩壊しました。トロイVIIaもこの時期に破壊を受けています。
ただし原因は「海の民」だけで説明できるものではなく、気候変動、人口移動、政治・経済の混乱など、複数の要因が重なったと考えられています。
世界史好きなら、自由時間にイスタンブール考古学博物館へ


だから、この11日間に参加するなら、歴史好きの方にはぜひイスタンブール考古学博物館も候補に入れてほしいです。
ハットゥシャシュを実際に歩く。
ヒッタイトの都の規模を見る。
ヤズルカヤで神々のレリーフを見る。
そのあとイスタンブールで、ハットゥシャシュから発掘され、当時の国際共通語であったアッカド語の楔形文字で刻まれているカデシュ条約の粘土板を見る。



これ、かなり贅沢じゃないですか?


イスタンブール考古学博物館は、考古学博物館、古代オリエント博物館、タイル博物館からなる複合施設で、帝国領内各地から集められた膨大なコレクションを所蔵しています。



この11日間に参加するなら、自由時間にイスタンブール考古学博物館にも行ってみてください。
ハットゥシャシュを実際に歩いたあとで、そこで発掘されたカデシュ条約の粘土板を見る。
旅の途中で見たもの同士がつながって、「ああ、あの場所の歴史なんだ」と急に立体的になります。
最後はイスタンブール|ビザンツからオスマン帝国へ


旅の最後はイスタンブール。
ここまで来ると、時代はまた大きく進みます。
コンスタンティノープルとしてビザンツ帝国の首都となり、1453年にはオスマン帝国のメフメト2世が征服。
その後はオスマン帝国の中心として発展していきます。
ブルーモスク。
トプカプ宮殿。
アヤソフィア。
地下貯水施設。
同じ街の中に、ローマ・ビザンツとオスマンの歴史が折り重なっています。
ハットゥシャシュまで見てきたあとだと、
「ずいぶん最近の歴史になったな」
という不思議な感覚になるかもしれません。
紀元前の王都を歩いた数日後に、オスマン帝国の宮殿を歩いている。
トルコ周遊のおもしろさって、こういうところだと思います。
イスタンブールの自由時間が多いのも、この旅程なら納得できる


この11日間ツアーは、イスタンブールで自由時間が比較的多く取られています。
最初に旅程を見たとき、
「せっかくツアーなのに、イスタンブールで自由時間が多いの?」
とも思いました。
でも、ここまで旅程全体を見てくると、少し印象が変わります。
トロイ。
エフェソス。
ヒエラポリス。
カッパドキア。
ハットゥシャシュ。
ヤズルカヤ。
地方では、かなり濃い観光が続きます。
そこまで見たあとで、
「もっと歴史を追いたい人」と「もう十分見た人」
に分かれるのは自然です。
もっと見たい人なら、イスタンブール考古学博物館へ。
オプショナルツアーを追加してもいい。
まだモスクを見たいならリュステム・パシャへ。
ボスポラス海峡を船から見てもいい。
一方で、
「もう遺跡はお腹いっぱい」
なら、イスティクラル通りを散歩したり、カフェでゆっくりしたり、買い物をしたり。
何もしないでホテルで休むのもありです。
公式でも7・9・10日目にはオプショナルツアーが用意されており、もっと観光したい人が追加できる仕組みがあります。
これは担当者が意図して設計したと断言はできません。
でも旅程を見ていると、
地方ではしっかり連れて行き、最後のイスタンブールでは過ごし方を旅行者に返す。
そんな作りにも見えます。
これ、かなりいいと思います。
もっと深く行く他社トルコツアーもある
ここまで読んで、
「ハットゥシャシュまで行くなんて、かなりマニアックなツアーなのでは?」
と思うかもしれません。
ところが、トルコにはさらにその先があります。
例えば「旅のデザインルーム」には、東トルコを12日間かけて巡り、ネムルート山、ヴァン湖、アニ遺跡、ギョベクリ・テペ、カラハン・テペ、ウラルト王国の遺跡、スメラ修道院などまで訪れるツアーがあります。
公式自身も、東アナトリアを縦断し、さまざまな文明や宗教の歴史を追う旅として紹介しています。
さらに南東トルコへ行けば、マルディン、北メソポタミア、ティグリス川・ユーフラテス川流域などをテーマにした旅もあります(公式ページはこちらから)。
東トルコを15日間かけて大周遊するようなコースまであります。
ここまで来ると、もう「初めてのトルコ王道旅行」とは別の世界です。
歴史そのものが旅の目的になります。
だからこそ、クラブツーリズムの11日間の立ち位置がわかりやすい。
そこまで振り切らない。
イスタンブールも見る。
カッパドキアも見る。
パムッカレもエフェソスも外さない。
でも、ハットゥシャシュまで行く。
王道と歴史マニア旅の、ちょうど間くらい。
「初トルコだけど、ありきたりな周遊だけでは少し物足りない」
という人には、この位置がかなり面白いと思います。
アンカラからイスタンブールはYHTで移動


この11日間では、アンカラからイスタンブールまで高速鉄道YHTを利用します。
飛行機ではありません。
約4時間台の列車移動と聞くと、
「長いな」
と思うかもしれません。
ただ、飛行機ならアンカラ市内から空港へ移動し、チェックイン、保安検査、搭乗待ち、到着後はイスタンブール空港から市内へ移動する必要があります。
そう考えると、列車の4時間だけを見て「非効率」とも言い切れません。



わたしもYHTには何度も乗っていますが、普通に快適です。
新幹線ほどではありませんが、そもそも日本の新幹線が優秀すぎるので……。
4時間台の移動でも、座っていられるなら十分ありだと思います。
ただし、大きなスーツケースを持って駅構内を移動したり、列車へ乗せたり降ろしたりする点は少し大変かもしれません。
飛行機とは違う移動の負担があることは覚えておきたいところです。
ケチをつけるならここ|11日間ツアーの気になるところ


ここまでかなり褒めていますが、もちろん気になるところもあります。
カッパドキアで気球には乗らない
カッパドキアでは、早朝に気球を見る時間はありますが、基本の旅程に気球搭乗は含まれていません。
「トルコ旅行で絶対に気球に乗りたい」
という方には大きなポイントです。
カッパドキアへ行くことと、気球に乗ることは別なので、申込前にしっかり確認しておきたいところです。
地下宮殿は有名なイェレバタンではない
イスタンブールでは地下貯水施設も見学しますが、訪れるのはシェレフィエ地下貯水池。
有名なメドゥーサの頭があるイェレバタン・サルヌジュではありません。
「地下宮殿=メドゥーサを見たい」
と思っている方は注意。
ただ、イスタンブールには自由時間があります。
どうしてもイェレバタンへ行きたいなら、自分で追加することができます。
関連記事
▶︎ メドゥーサがいる地下宮殿のチケットはどこで買う?


自由時間は、合う人には最高。困る人には困る
自由時間があるのは、このツアーの長所でもあります。
一方で、
「どこに行けばいい?」
「一人で歩いて大丈夫?」
「タクシーに乗りたくない」
という方には負担になる可能性があります。
全部旅行会社に連れて行ってほしい人には、自由時間が少ないツアーの方が気楽かもしれません。
逆に、自分で調べるのが好きな人には、かなり楽しい時間になると思います。
11日間だから楽、ではない
もうひとつ。
11日間だから、ゆったりした旅というわけではありません。
トルコは国土が広く、周遊すればどうしても長距離移動があります。
遺跡も歩きます。
ハットゥシャシュも、エフェソスも、カッパドキアも、ホテルのロビーから眺めて終わりではありません。
「世界史は好き。でも足腰は心配」
という方は、旅行日程の歩行時間なども確認しておいた方がいいと思います。
この11日間が向いている人
このツアーが特に面白いと思うのは、こんな人です。
- 初めてのトルコなので王道観光は外したくない
- 世界史が好き
- 「ヒッタイト」と聞いてちょっと反応する
- 遺跡は背景を知ってから見る方が楽しい
- トロイを木馬だけで終わらせたくない
- カッパドキアも奇岩だけでなく歴史まで知りたい
- ありきたりなパックツアーには少し物足りなさを感じる
- でも東・南東トルコ特化ツアーまで振り切らなくていい
- イスタンブールでは少し自分の時間も欲しい
特に、
「トルコだけが好き」というより、古代世界史そのものが好きな人。
この人には刺さると思います。
ハットゥシャシュだけ見たいなら現地ツアーという方法もある
一方で、
「イスタンブールやカッパドキアは自分で回れる。でもハットゥシャシュだけは自力だと大変そう」
という人もいると思います。
そんな場合は、日本発の11日間パッケージツアーではなく、トルコまで自分で行き、現地発のハットゥシャシュ方面ツアーを組み合わせる方法もあります。
全部お任せしたいならパッケージツアー。
行きたい場所だけプロに任せたいなら現地ツアー。
旅のスタイルによって選べばいいと思います。
ハットゥシャシュ で検索
\ 日本語ガイドが探しやすい /
クラブツーリズムのトルコツアー8日間と迷っている人は比較記事へ
クラブツーリズムには8日間のトルコ周遊ツアーもあります。
ただし、11日間は8日間をそのまま長くしたツアーではありません。
どちらが合うか迷っている方は、8日間と11日間の旅程を比較した記事も参考にしてください。


まとめ|王道のトルコを見ながら、世界史の教科書を一ページ深く
トロイ。
エフェソス。
ヒエラポリス。
コンヤ。
カッパドキア。
ハットゥシャシュ。
イスタンブール。
一つひとつ見れば、有名な観光地です。
でも歴史を少し知って並べてみると、その間に何千年もの時間が流れていることがわかります。
青銅器時代のトロイとヒッタイト。
ギリシャ・ローマ世界。
キリスト教文化。
セルジューク朝。
ビザンツ帝国。
そしてオスマン帝国。
トルコというひとつの国を旅しているのに、世界史のページを何枚もめくっているような11日間です。
王道のトルコは見たい。でも、せっかくなら世界史の教科書のもう一ページ先まで行きたい。
そんな人には、クラブツーリズムのこの11日間、かなり面白いと思います。
そして旅程を細かく見れば見るほど、
これを考えた担当者、なかなかいい仕事しとるな。
と思えてきます。








