日本では「香水がちょっと苦手」という人も珍しくありません。
一方、トルコで暮らしていると、香りはもっと日常に溶け込んでいるように感じます。
街ですれ違った人からふっと香水が香ることもよくありますし、男女問わず香水を使っている人も多め。
街中には、お手頃な価格の香水を販売する小さな香水店も普通にあります。
香水だけでなく、瓶に細いスティックを挿して使うリードディフューザーなど、部屋用の香りも一緒に並んでいます。
さらにトルコの家庭では、コロンヤ(Kolonya)も身近な存在です。
香りを楽しむだけでなく、手をさっぱりさせたいときにも使われるため、日本の消毒用アルコールに少し近い感覚で登場することもあります。
こうして暮らしていると、トルコ人にとって「香り」は特別なおしゃれというより、身だしなみや暮らしの一部なのかもしれないな、と思うことがあります。
そして、この香りとの近さは現代だけのものではありません。
トルコやその周辺地域では古くから香油や花の蒸留が行われ、オスマン帝国時代にも香りは宮廷文化やおもてなしと深く関わってきました。
この記事では、そんなトルコの香り文化から、ローズウォーターやコロンヤ、有名なトルコ香水ブランド、さらにイスタンブールで自分だけの香水を作れるワークショップまで紹介します。
トルコは昔から「香り」と縁の深い土地

中東やアナトリア周辺では、香りは単に身体につけて楽しむものではありませんでした。
花や香木、樹脂などから採れる香りは、宗教儀式や医療、美容、そして来客をもてなすためにも使われてきました。
さらにオスマン帝国の首都だったイスタンブールは、東西の交易が交わる場所。
スパイスや香料など、さまざまな品物が集まった都市でもあります。
現在でもエジプシャンバザールを歩くと、スパイスやハーブ、ドライフラワーなどがぎっしりと並び、トルコと「香り」の距離の近さを感じられます。
でも、トルコの香り文化を体験するために歴史を遡る必要はありません。
今も身近に残っている代表的なものが、ローズウォーターとコロンヤです。
トルコを代表する香りのひとつがローズ
トルコの香りを語るうえで外せないのが、バラです。
なかでも有名なのが、トルコ南西部にあるウスパルタ(Isparta/日本では「イスパルタ」とも表記)。
ウスパルタでは香料用のダマスクローズ(Rosa damascena)が栽培され、ローズオイルやローズウォーターが作られています。
トルコ政府の文化観光関連資料でも、ウスパルタはトルコを代表するバラの産地として紹介されています。

さるぱんちゃんトルコでは、人の名前に「Gül(ギュル=バラ)」が入ることも多く、アパートや家の庭先でもバラを本当によく見かけます。
トルコの人にとって、バラはとても身近で親しまれている花なんだと思います。
トルコのローズウォーターとは?


ローズウォーターは、バラを蒸留する過程で得られる芳香水です。
トルコでは化粧品として使われるもののほか、商品によっては食品用途のものもあります。
日本でも「トルコ ローズウォーター」として販売されているので、トルコ土産として見たことがある方もいるかもしれません。
小さなボトルなら持ち帰りやすいため、香りものが好きな人へのお土産にも選びやすい商品です。
ただし、肌に使うものと食品用では用途が異なるため、購入時は表示を確認してください。
トルコの日常にある香り「コロンヤ」
ローズウォーターよりさらに日常的なのが、コロンヤ(Kolonya)です。
コロンヤはアルコールを多く含んだ香り付きの液体で、定番は爽やかなレモンの香り。
トルコでは家庭に一本置いてあることも珍しくありません。
来客時に差し出したり、食事のあとに手につけたり、長距離バスなどで配られたりすることもあります。
香水ほど香りを長時間まとわせる目的ではなく、
「手をさっぱりさせる」
「いい香りを楽しむ」
「お客さんをもてなす」
といった用途が一緒になっている感じです。
日本でいうアルコールジェルと香りものを足して割ったような存在、と考えるとイメージしやすいかもしれません。
※画像は我が家のコロンヤ。普通にスーパーで購入できます。


現在ではレモンだけでなく、ローズ、ラベンダー、イチジク、オレンジなど、さまざまな香りのコロンヤがあります。
トルコらしく、かさばらず、価格も比較的手頃なので、お土産としても選びやすいですよ。



スーパーのレジ辺りで携帯サイズが売ってたりします。
トルコには世界で知られる香水ブランドもある
トルコの香りものというと、ローズウォーターやコロンヤを思い浮かべるかもしれませんが、トルコにも本格的な香水ブランドもあります。
その代表格が、イスタンブール発のニッチフレグランスブランド「NISHANE(ニシャネ)」です。


NISHANEは2012年からイスタンブールを拠点に香水を展開しているブランドで、現在は世界でも販売されています。公式サイトでは、イスタンブールの文化や東西が交わる都市としての個性を香水づくりのインスピレーションとして掲げています。
代表的な香水には、
- HACIVAT
- ANI
- HUNDRED SILENT WAYS
- FAN YOUR FLAMES
などがあります。



NISHANEは、ローズやウードを前面に出した「いかにも中東の香水」という感じではなく、かなり現代的なニッチフレグランスです。
でも一方で、トルコの伝統的なレモンコロンヤから着想を得た「COLOGNISÉ」という香水もあります。
昔からトルコの暮らしにあるコロンヤ文化を、現代の香水として表現しているのが、なんともトルコらしいですよね。
イスタンブールにはNISHANEの公式ブティックもあります。香水好きなら、ニシャンタシュ周辺を訪れるついでに立ち寄ってみてもよいでしょう。
NISHANE Istanbul Boutique
住所:Ahmet Fetgeri Sok. No:51/A, Teşvikiye, Şişli / İstanbul
地下鉄M2線のOsmanbey(オスマンベイ)駅から徒歩でアクセスできます。タクシムからもM2線で数駅なので、旧市街観光とは少し離れますが、そこまで行きにくい場所ではありません。
ただ、坂が多い地区なのでタクシーをおすすめします。
トルコで香水をお土産に買うなら


イスタンブールでは、高級ブランドの香水から比較的お手頃な香水まで、選択肢はかなりあります。
大型ショッピングモールや百貨店には世界的なブランドが入っていますし、街中には手頃な価格帯の香水を扱う専門店もあります。
香水店では、リードディフューザーなどの部屋用フレグランスを一緒に販売していることも多く、香りそのものが暮らしに入り込んでいるのがよくわかります。
有名ブランドを買うのもよいですが、せっかくイスタンブールまで来たなら、もうひとつ面白い選択肢があります。
香水を買うのではなく、自分で作る方法です。
イスタンブールでは自分だけの香水を作れる
イスタンブールには、自分の好きな香りを選びながらオリジナル香水を作れるワークショップがあります。
観光地を見るだけでなく、旅先で何かを作って持ち帰りたい方には面白い体験です。
現在GetYourGuideでは、雰囲気の違う香水作りワークショップがいくつか掲載されています。
ここでは、特に人気のある2つを紹介します。





どちらのワークショップも英語またはトルコ語で進みますが、日本人の参加レビューもあります。英語が得意でなくても、香りを選びながらスタッフと一緒に進める体験なので、そこまで構えなくてもよさそうです。
ボスポラス海峡を眺めながら香水を作るワークショップ
ひとつ目は、ボスポラス海峡を眺めながら自分の香水を作るワークショップです。
所要時間は約2時間。
専門スタッフのサポートを受けながら、さまざまな香りの中から好みのものを選び、自分だけの香りを作っていきます。
香水作りの経験は必要ありません。
完成した香水は50mlのボトルに入れて持ち帰ることができます。
2026年9月現在、GetYourGuideでは4,400件を超えるレビューが集まっている人気体験です。
香水作りだけでなく、ボスポラス海峡の景色も一緒に楽しみたい方に向いています。
歴史ある木造邸宅で香水を作るワークショップ
もうひとつは、イスタンブールの古い木造邸宅を会場にした香水作りワークショップです。
こちらも約2時間。
複数の香料から好みの香りを選び、トップノート、ミドルノート、ベースノートなどを考えながら、自分の香水を組み立てていきます。
観光のついでに気軽に体験するというより、香水作りそのものをじっくり楽しみたい方に向いています。
完成した香水をそのままトルコ旅行のお土産にできるのも魅力です。
香水作りワークショップはどちらがおすすめ?
どちらも自分だけの香水を作れる体験ですが、雰囲気が少し違います。
| 比較 | ボスポラスビュー | 木造邸宅 |
|---|---|---|
| 雰囲気 | 景色も楽しめる | 歴史ある建物 |
| 所要時間 | 約2時間 | 約2時間 |
| 香水作り | 初めてでも参加しやすい | 調香をじっくり楽しめる |
| おすすめの人 | 観光+体験を楽しみたい | 香水作りをメインに楽しみたい |
| 持ち帰り | オリジナル香水 | オリジナル香水 |
- 「イスタンブールらしい景色も楽しみたい」ならボスポラスビュー。
- 「せっかくなら香水作りそのものを楽しみたい」なら木造邸宅。
そんな選び方でよいと思います。
トルコの香水瓶も人気のお土産


香水そのものだけでなく、トルコではカラフルなガラス製の香水瓶もお土産として人気があります。
金色の装飾が入ったものや、青、赤、緑など鮮やかなガラスで作られたものなど、かなり種類があります。
日本でも「トルコの香水瓶」として通販で購入できますが、トルコ旅行中ならグランドバザールやその周辺のお土産店、雑貨店などで探してみるのも楽しいでしょう。
同じように見えて、色や形、装飾が少しずつ違います。



グランドバザールは日曜日がお休みです。
周辺のお土産店や雑貨店には日曜日でも開いているところがあります。香水瓶を探すなら、周辺のお店ものぞいてみてください。
一本路地に入るだけで値段が変わることも!
トルコの香水瓶はどう使う?
名前の通り、香水やフレグランスオイルなどを入れて使えます。
装飾用として作られたものもあるため、購入するときは実際に液体を入れて使えるものか確認しておくと安心です。
もちろん、何も入れずにインテリアとして飾ってもきれいです。
せっかくイスタンブールでオリジナル香水を作るなら、その旅の記念に香水瓶も探してみる。
そんなお土産の選び方も面白いと思います。
まとめ|トルコ旅行で「香り」を持ち帰ろう
トルコでは、香りは特別なものではなく、日々の暮らしの中に自然にあります。
街ですれ違う人の香水。
家庭に置かれたコロンヤ。
イスパルタのローズウォーター。
街の香水店に並ぶ香水や部屋用フレグランス。
そして現在では、世界で知られるトルコ発の香水ブランドもあります。
そんな土地を旅行するなら、香水を買うだけでなく、自分の好きな香りを選んでオリジナル香水を作ってみるのも、トルコらしい体験のひとつ。
完成した香水を日本へ持ち帰れば、香りを嗅ぐたびにイスタンブールの旅を思い出せるかもしれません。
そして気に入った香水瓶を見つけたら、それも一緒に。
トルコのお土産に「香り」を選んでみてはいかがでしょうか。









