カッパドキアの地下都市はどこ?カイマクル・デリンクユ・カヤシェヒルを比較

カッパドキアといえば、奇岩の上を飛ぶ気球を思い浮かべる方が多いかもしれません。

しかし、地上の絶景とはまったく違う世界が、足元にも広がっています。

それがカッパドキアの地下都市です。

ところが、いざ「カッパドキア 地下都市」と調べてみると、

  • カイマクル
  • デリンクユ
  • カヤシェヒル

など、違う名前が次々に出てきます。

「地下都市ってひとつじゃないの?」
「結局どこへ行けばいいの?」

と迷う方もいるのではないでしょうか。

実は、カッパドキアの地下都市はひとつではありません。

トルコ文化観光省によると、カッパドキア地方には規模の異なる地下都市が150〜200ほどあると推定されています。

その中でも、以前から代表的な地下都市として知られているのがカイマクルとデリンクユ

一方、最近オンラインで検索すると、ネヴシェヒルにあるカヤシェヒル(Kayaşehir)のツアーも目につきます。

さらに、地下都市を含む現地ツアーではオズコナックを訪れるコースもあります。

この記事では、それぞれ何が違うのか、どこを選べばいいのかを、初めてカッパドキアを訪れる旅行者目線で整理します。

目次

カッパドキアの地下都市はひとつではない

まず最初に整理しておきたいのが、名前です。

カイマクルとデリンクユは、同じ地下都市の別名ではありません。

それぞれ場所も造りも異なる、別の地下都市です。

さらに、オズコナック、マズ、タトラリンなど、カッパドキアには数多くの地下都市があります。

手元の旅行書籍でも、観光地として大きく紹介されているのは主にカイマクルとデリンクユ

トルコ文化観光省の資料でも、カッパドキアを代表する大規模な地下都市として、この2か所が挙げられています。

カイマクル・デリンクユ・カヤシェヒルを比較

まずは、旅行者目線でざっくり比べてみましょう。

※ツアーでよく見かけるオズコナックも参考として加えています。

地下都市特徴入場料向いている人
カイマクル代表的な地下都市。現在4層を見学可能13€初めて地下都市を見る人
デリンクユ約85mの深さを持つ大規模地下都市13€がちで地下都市を味わいたい人
オズコナックカイマクルなどとは異なる構造も見られる6€ツアーで効率よく観光したい人
カヤシェヒルネヴシェヒル城周辺に広がる岩窟・斜面集落要確認カヤシェヒルを指定して見たい人

※入場料は2026年8月現在。トルコの観光施設は料金変更が多いため、訪問前に最新情報をご確認ください。カイマクル・デリンクユ13€、オズコナック6€はトルコ文化観光省掲載料金を確認しています。

ざっくり選ぶなら、

初めてならカイマクル。
がちで地下都市を味わいたいならデリンクユ。

という選び方がわかりやすいと思います。

ただし、現地ツアーに参加する場合は話が少し変わります。

ツアーによって訪れる地下都市が違うからです。

ここは後ほど詳しく紹介します。

初めて地下都市を見るならカイマクル

カイマクル地下都市(Kaymaklı Yeraltı Şehri)は、ネヴシェヒルから約20kmのカイマクルという町にあります。

全部で8層あるとされ、現在は4層がライトアップされて見学可能です。

内部には、

  • 居住スペース
  • 厨房
  • 食料庫
  • ワイン貯蔵スペース
  • 水を蓄える場所
  • 井戸
  • 教会
  • 換気孔

などがあります。

外敵が侵入してきたときに通路を塞ぐための、大きな丸い石の扉も残されています。

地下へただ穴を掘っただけではなく、人が一定期間生活できる空間として造られているのが見どころです。

通路は狭いものの、デリンクユほど深く潜っていくタイプではないため、

カッパドキアで地下都市をひとつ見てみたい

という方なら、まず候補にしやすい地下都市です。

カイマクルの基本情報

  • 入場料:13€
  • 営業時間:8:00〜20:00
  • チケット売り場:19:15まで
  • 定休日:なし
  • ネヴシェヒルから:約20km

※2026年8月現在。営業時間・料金は変更される場合があります。
※2026年8月現在は夜間見学も実施(6月〜9月)されており、19:00〜21:00の案内があります。

がちで地下都市を味わうならデリンクユ

デリンクユ地下都市(Derinkuyu Yeraltı Şehri)は、ネヴシェヒルから約30km。

カイマクルと並んで、カッパドキアを代表する地下都市です。

こちらの特徴は、なんといっても深さ

トルコ文化観光省の資料では、デリンクユ地下都市の深さは約85m。現在確認されている地下都市のうち、見学できる部分は全体の約10%とされています。

内部には、

  • 厩舎
  • 食料庫
  • 食堂
  • 教会
  • 宣教師学校
  • 井戸
  • 換気孔

などがあります。

通路の中には、人ひとりがやっと通れるほど狭い場所もあります。

「地下都市を見ました」というより、

「ほんまに地下へ潜ってきた」感が欲しい人はこちら。

地下へ地下へと降りていくため、閉所が苦手な方や足腰に不安がある方は無理をしない方がよいでしょう。

デリンクユの基本情報

  • 入場料:13€
  • 通常営業時間:8:00〜18:45
  • 定休日:なし
  • ネヴシェヒルから:約30km
  • 深さ:約85m

※2026年8月現在。営業時間・料金は変更される場合があります。
※2026年8月現在は夜間見学も実施(6月〜9月)されており、19:00〜21:00の案内があります。

カヤシェヒルって何?カイマクルとは別物です

今回、少しややこしいのがカヤシェヒル(Kayaşehir)です。

オンラインで「カッパドキア 地下都市」と検索すると、カヤシェヒルを訪れる地下都市ツアーが表示されることがあります。

そのため、

「カッパドキアの有名な地下都市ってカヤシェヒルなの?」
「カイマクルの別名?」

と思ってしまうかもしれません。

もちろん、カイマクルとは別の場所です。

さらに厳密にいうと、ネヴシェヒル市はカヤシェヒルを、ネヴシェヒル城周辺に広がる大規模な岩窟・斜面集落として紹介しています。

2014年の都市開発中に発見され、整備を経て2020年から一部が観光客に公開されました。内部ではトンネルや岩を掘った生活空間、教会、水路などが発見されています。

つまり、

昔から定番の「カッパドキア地下都市」として紹介されるカイマクル・デリンクユとは、少し立ち位置が違う

と考えた方がわかりやすいでしょう。

とはいえ、現在はカヤシェヒルを訪れる現地ツアーも販売されています。

検索していてカヤシェヒルが出てきても、「カイマクルと名前が違う?」と心配する必要はありません。

別の観光スポットです。

オズコナック地下都市という選択肢もある

ツアーを探していると、もうひとつよく目にするのがオズコナック地下都市(Özkonak Yeraltı Şehri)です。

オズコナックはアヴァノス方面にある地下都市。

地下空間はトンネルでつながり、防御用の石扉なども残っています。現在もすべての空間が発掘・整備されているわけではありません。

そして旅行者にとって大きな違いが、入場料です。

カイマクル・デリンクユが13€なのに対し、オズコナックは6€。
※2026年8月現在。営業時間・料金は変更される場合があります。
※2026年8月現在は夜間見学も実施(6月〜9月)されており、19:00〜21:00の案内があります。

地下都市を含む現地ツアーでは、カイマクルやデリンクユではなく、オズコナックを訪れるコースもあります。

ただし、

「入場料が安いからツアー会社がオズコナックを選んでいる」

とまでは断定できません。

ツアーのルートや混雑、見学時間など、さまざまな理由で訪問先が決められていると考えた方がよいでしょう。

大切なのは、「地下都市へ行くツアー」=カイマクルやデリンクユとは限らないということです。

地下都市はなぜ作られた?

地下にこれほど大きな都市を造った理由のひとつが、身を守るためです。
カッパドキアの大地は、火山活動によってできた比較的柔らかい凝灰岩でできており、人の手で掘り進めやすい特徴があります。

地下都市には狭く長い通路が多く、一度に大勢の敵が入りにくい構造になっています。

さらに、通路を内側から塞ぐ巨大な石扉も設けられていました。

トルコ文化観光省も、地下都市が造られた主な目的として、危険や攻撃から身を守ることを挙げています。

ただし、地下都市はある時代に一気に完成したわけではありません。

長い年月の中で、さまざまな人々によって掘り広げられ、使われてきたと考えられています。

カイマクルもローマ・ビザンツ時代に拡張されており、デリンクユではローマ帝国の迫害から逃れてきた初期キリスト教徒が利用した歴史も紹介されています。

地下でどうやって生活していた?

地下都市を歩いていると、どうしても気になることがあります。

ここで本当に人が暮らしてたの?

厨房や食料庫があったことは想像できます。

でも、

「明かりは?」
「空気は?」
「水は?」
「……トイレどうした?」

気になりますよね。

地下都市には地上へつながる換気孔が造られ、井戸や食料庫、厨房なども備えられていました。

デリンクユには深さ55mに及ぶ換気シャフトがあり、水井戸としても利用されていたと文化観光省の資料に記載されています。

さらに公式のデリンクユ案内には、食料庫、ワイン醸造所、教会、水井戸とともにトイレも造られていたことが記載されています。

公式ページ(トルコ語)はこちら。
▶︎ デリンクユ地下都市 公式案内

地下都市の中は狭い?閉所が苦手な人は注意

写真では広い部屋が目につきますが、地下都市の移動はそれだけではありません。

階層をつなぐ通路には、腰をかがめなければ通れないほど狭い場所もあります。

特にデリンクユは地下深くへ進んでいくため、

  • 閉所が苦手
  • 暗い場所が苦手
  • 足腰に不安がある
  • 長くかがんで歩くのがつらい

という方は注意してください。

地下都市は「地下8階」と聞いて、現代の建物のような階段を想像するとかなり違います。

岩を掘った細い通路を抜けながら移動する場所もあります。

無理して一番深いところまで行く必要はありません。

また、地下に入ってから慌てないよう、トイレは見学前に済ませておくと安心です。

地下都市は自力で行く?ツアーに参加する?

カイマクルやデリンクユは、ツアーに参加しなければ見られない場所ではありません。

ネヴシェヒルから個人で向かうこともできます。

そのため、

地下都市だけじっくり見たいなら自力

  • カイマクルだけ見たい
  • デリンクユだけ見たい
  • 自分のペースで見学したい
  • ほかの観光地とセットにする必要がない

という方なら、個人で行くのも十分選択肢です。

地下都市の中を自分のペースで見られるのもメリットです。

\英語ガイドが地下都市を案内/

地下都市+カッパドキア観光ならツアーが楽

一方、

「カッパドキア滞在が短い」
「地下都市以外の観光地もまとめて回りたい」

という方なら、現地ツアーがかなり楽です。

地下都市とウフララ渓谷などを組み合わせるコースのほか、レッドツアーの観光地に地下都市を追加したツアーもあります。

実際、GetYourGuideで販売されているツアーのひとつでは、

  • ギョレメ野外博物館
  • オズコナック地下都市
  • ウチヒサル
  • デヴレント渓谷
  • ラブバレー
  • アヴァノス

などを約7.5時間で回ります。オズコナック地下都市は約1時間の見学です。

公共交通を乗り継いでこれだけの場所を1日で回るのはなかなか大変。

初めてのカッパドキアで効率を優先するなら、ツアーは使いやすい選択肢です。

\日本語ガイドと回る/
日本人レビューも高評価

「グリーンツアーだからデリンクユ」とは限らない

ここは、地下都市を目当てにツアーを予約する方にぜひ確認してほしいポイントです。

カッパドキアでは、地下都市を含む周遊ツアーが数多く販売されています。

しかし、訪れる地下都市はツアーによって違います。

  • カイマクル
  • デリンクユ
  • オズコナック
  • カヤシェヒル

など、コースによってさまざまです。

また、「レッドツアー」と名付けられたコースでも地下都市を組み込んでいるものがあります。実際に現在販売されているレッドツアー+地下都市のコースでは、オズコナック地下都市を訪れます。

そのため、

「地下都市に行ける」と書いてあるだけで予約せず、どの地下都市へ行くのかを必ず確認してください。

特に、

「せっかくならカイマクルへ行きたい」
「デリンクユまで潜ってみたい」

と目的が決まっている方は、ツアー名ではなくツアー行程を見るのがおすすめです。

入場料がツアー代に含まれているかも確認

もうひとつ確認したいのが入場料。

地下都市へ行くツアーだからといって、地下都市の入場料までツアー料金に含まれているとは限りません。

実際、GetYourGuideのレッドツアー+地下都市のコースでは、オズコナック地下都市の入場料は「別料金」と表示されています。

予約するときは、

  • どの地下都市へ行く?
  • 入場料はツアー代に含まれる?
  • 昼食は含まれる?
  • ホテル送迎はある?

まで確認しておくと安心です。

結局どの地下都市がおすすめ?

最後にもう一度整理します。

初めて地下都市を見るなら|カイマクル

代表的な地下都市をひとつ体験したいなら、カイマクル。

現在公開されているのは4層で、地下都市らしい居住空間・厨房・貯蔵庫・換気孔・石扉などを見ることができます。

\英語ガイドが地下都市を案内/

がち地下都市派なら|デリンクユ

地下約85m。

「せっかくカッパドキアまで来たんだから、地下都市のスケールをしっかり味わいたい」という方にはデリンクユ。

狭い通路や深さも含めて、地下世界へ潜っていく感覚はこちらの方が強めです。

周遊ツアーで効率重視なら|オズコナックもあり

オズコナックも、ちゃんとしたカッパドキアの地下都市です。

カイマクル・デリンクユより入場料も抑えめで、現地周遊ツアーに組み込まれていることがあります。

「絶対カイマクルでなければ嫌」というこだわりがなければ、ツアー全体の行程を見て選ぶのもよいでしょう。

\日本語ガイドと回る/
日本人レビューも高評価

カヤシェヒルが気になるなら|カヤシェヒル指定ツアー

検索してカヤシェヒルが気になった方は、カヤシェヒルを訪れるツアーを選びましょう。

ただし、昔から定番として紹介されてきたカイマクル・デリンクユとは少し性格が異なる、ネヴシェヒル城周辺の大規模な岩窟・斜面集落です。

「カッパドキアを代表する地下都市を見たい」のか、
「カヤシェヒルそのものを見たい」のか、

ここを決めてから選ぶと迷いにくくなります。

\英語ガイドが案内/

まとめ|地下都市は「どこへ行くか」を確認してから選ぼう

カッパドキアの地下都市はひとつではありません。

代表的なのはカイマクルとデリンクユですが、オズコナックなど見学できる地下都市はほかにもあります。

さらに最近は、オンラインツアーでカヤシェヒルの名前を見ることも増えました。

初めてならカイマクル。

がちで地下都市を味わうならデリンクユ。

観光地をまとめて効率よく回りたいなら、地下都市を含む周遊ツアーも便利です。

ただし、ツアーの場合はどの地下都市を訪れるのか、入場料が含まれているのかまで確認してください。

「地下都市ツアー」と書いてあるからカイマクルだろう、と決めつけて予約するのはちょっと待った。

せっかく地面の下まで潜るなら、自分が見たかった地下都市へ行きましょう。

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この記事を書いた人

さるぱんちゃんのアバター さるぱんちゃん トルコびいきの旅ノート管理人

広島県出身。アメリカで約20年暮らしたあと、2017年からトルコに移住。トルコ人の夫と暮らしながら、イスタンブールをはじめとする観光地、地方都市、世界遺産、市場、食文化、日々の暮らしなどを取材・発信中。

初めてトルコを訪れる前、「行ってみたい気持ちと、少し身構えてしまう気持ち」が同居する感覚に、英語の apprehensive(これから起きることに対して、不安や心配を感じているという意味)という言葉が重なった経験を持つ。

旅行者としての不安を置き去りにせず、現地で暮らす中で得た実感も交えながら、初めてのトルコ旅行に役立つ情報を発信。

市場、朝ごはん、地方都市、見慣れない食材を見ることが趣味。旅先では観光地だけでなく、スーパーや食料品売り場ものぞくタイプ。世界遺産検定保持者。

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